日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
イタリアンライグラス(Lolium multiflorum ), オオムギ(Hordeum vulgare ) およびエンバク(Avena sativa ) に おける耐湿性の生育時期別比較
加藤 直樹服部 育男清村 康桂 真昭小林 良次
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2014 年 57 巻 2 号 p. 97-104

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抄録

イタリアンライグラス(I),オオムギ(B)およびエンバク(O)の生育時期別の耐湿性を明ら かにするため,播種後21 日間の湛水が出芽率に及ぼす影響と,播種後52 日目以降の生育初期または95 日目 以降の生育後期における14 日間の湛水が,湛水終了時および収穫期の生育に及ぼす影響を調査した.出芽期 の湛水による出芽率の低下程度はI では最も少なく,B では最も高く,O では両者の中間であった.生育初期 の湛水は湛水終了時および収穫期ともに3 作物の乾物重を有意に低下させなかったが,生育後期の湛水処理終 了時では3 作物の根の乾物重を低下させた.また生育後期の湛水からの収穫期における回復程度は作物種によ り異なり,地上部乾物重はI とO では湛水処理した試験区と対照区との間に差はなかったが,B では湛水処 理により有意に低下した.以上から,耐湿性および湿害後の回復程度を合わせ評価すると,I の耐湿性が最も 強く,次いでO,B の順となった.

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© 2013年日本暖地畜産学会
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