日本暖地畜産学会報
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原著論文(技術報告)
周年放牧肥育技術により飼養された褐毛和種および 黒毛和種去勢雄牛の増体量と血液性状の特徴
中村 好德金子 真莟 博行小林 良次
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2015 年 58 巻 2 号 p. 273-283

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抄録

離乳後の褐毛和種去勢雄牛3 頭および黒毛和種去勢雄牛3 頭を用いて,‘ 周年放牧肥育技術’ で飼養し 増体量と血液性状を調査した.夏期はパリセードグラス放牧地を,冬期はイタリアンライグラス放牧地を利用し, 補助飼料としてトウモロコシサイレージ,麦焼酎粕濃縮液,イタリアンライグラス乾草ならびに食塩を給与し,国 産飼料自給率は100% であった.周年放牧に要した面積(7 牧区の合計)は54.2 a/ 頭であり,平均滞牧日数は22 日間で推移した.周年放牧肥育牛の体重増加は平均1 日当たり褐毛和種0.83 kg/ 日および黒毛和種0.65 kg/ 日で あり,平均出荷日齢および平均出荷時体重は褐毛和種848 日齢および747 kg,黒毛和種862 日齢および629 kg であっ た.また,周年放牧肥育期間中における供試牛の血液性状は品種間で一定の相違は見られなかったが,尿素窒素お よび総コレステロール濃度などは季節間で相違を有することが明らかになり,特に冬期における供試牛の高い尿素 窒素濃度はイタリアンライグラス放牧草における粗蛋白質含量の高さに影響を受けたと考えられた.

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