2018 年 61 巻 2 号 p. 77-82
ジャイアントスターグラス(GS)草地に,低温期にイタリアンライグラス(IR)を4 水準(0.7,1.0,1.5,2.5 g/㎡)で追播し,播種量が混播草地の乾物収量ならびにGS とIR の競争関係に及ぼす影響を,南西諸島で検討した.IR 追播に伴う増収は刈取り回次で異なり,全ての処理区で増収効果があったのは平均気温が最も低かった2 回目刈取り時のみであった.低温期間内の3 回の刈取り合計乾物収量は,処理区間での有意差はなかったが,播種量の増加に伴い収量構成割合はIR で増加し,GS で減少した.IR 追播区の相対収量(RY)も,GS とIR の両種ともに0.5 以上とはならず,どちらか一草種の優位性によってRY が0.5 以上となるのみであり,他草種の生長を抑制する競争関係にあると推察された.低温期間中,全ての刈取り時に合計相対収量(RYT)が1 以上となったのは,IR 追播量が0.7 g/㎡の処理区のみであった.