日本暖地畜産学会報
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原著論文(短報論文)
沖縄地域に分布する樹木の大気中アンモニア濃度の低減効果
村田 正将玉城 政信波平 知之屋良 朝宣仲村 一郎石田 千華鈴木 直人二宮 恵介風岡 雅輝辻本 卓郎
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2019 年 62 巻 1 号 p. 31-35

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抄録

沖縄地域で生垣として植栽されているケラマツツジ,ブッソウゲおよびクロトンにおける大気中のアンモニア除去能を評価するため,密閉型アクリルボックス(457 mm × 457 mm × 915 mm)を作成し,1%アンモニア水注入後のアクリルボックス内のアンモニア濃度の経時変化について検討した.アクリルボックス内のアンモニア濃度は時間の経過に伴い減少し,土壌のみの対照区より樹木を植えた処理区で有意(P < 0.01)に減少した.樹木によるアンモニア除去率はケラマツツジとブッソウゲがクロトンより有意(P < 0.01)に高く,その要因を各樹木の葉の特徴から検討した結果,最もアンモニア除去率が高かったケラマツツジは,ブッソウゲやクロトンに比べて鉢あたりの葉数および葉面積の値が高く,比葉面積の値が小さかった.このことから,肉厚で葉量の多い葉を有する樹木ほど大気中のアンモニア除去能が高くなることが示唆された.

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© 2019 日本暖地畜産学会
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