日本暖地畜産学会報
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短報論文
カイウサギの侵入防止に有効な電線の架線の高さは?
髙山 耕二小出 圭史中村 南美子鈴木 真理子河合 渓秋山 雅世赤井 克己中西 良孝
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2022 年 65 巻 1 号 p. 37-40

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抄録

本研究では,アマミノクロウサギ(Pentalagus furnessi)の農地への侵入防止法確立に向けた基礎的知見を得ることを目的とし,カイウサギ(Oryctolagus cuniculus)をモデル動物として,それらが通り抜け出来ない電気柵の架線高について検討を行った.

飼槽とカイウサギを遮る形で2段張り電気柵を設置し,柵本器から3,500~4,000Vのパルス電流を通電した.15および30㎝に架線した電気柵では,4個体すべてが口唇で15㎝の架線に触れ,その際に電気刺激を感受する状況が確認された.しかしながら,うち3頭が15㎝の架線下を通り抜け,侵入に成功した.10および20㎝の架線では,供試した4個体すべてで10㎝の架線に接触した後,後退する状況が観察され,飼槽側に侵入した個体は皆無であった.

以上より,カイウサギの侵入防止に有効な2段張り電気柵の架線の高さは10および20㎝であることが示された.

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© 2022 日本暖地畜産学会
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