日本暖地畜産学会報
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短報論文
アマミノクロウサギの通り抜け防止に有効な物理柵の網目サイズは?
中村 南美子小出 圭史落合 晋作秋元 哲鈴木 真理子河合 渓秋山 雅世赤井 克己中西 良孝髙山 耕二
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2023 年 66 巻 1 号 p. 19-22

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抄録

本研究では,農地へのアマミノクロウサギ(Pentalagus furnessi)の侵入防止に有効な物理柵の開発に向けた基礎的知見を得ることを目的とし,アマミノクロウサギの通り抜け防止に有効な柵の網目サイズ(隙間)について検討した.飼育アマミノクロウサギ2頭(個体AおよびB)に正方形または長方形(縦長もしくは横長)の隙間(入口)を設けた仕切り板を最大60分間提示した.個体Aは一辺が12cmの正方形の隙間を通り抜けたものの,一辺が8cmの場合には腰部までしか通過せず,通り抜けに失敗した.長辺を12cmとした縦長または横長長方形の隙間についても,個体Aは短辺が8cmの場合にいずれも通り抜けに失敗した.一方,個体Bは正方形および長方形のいずれの隙間においても,一辺が4cmの場合に通り抜けを断念した.以上より,アマミノクロウサギの通り抜けによる侵入を防ぐことができる物理柵の網目サイズは一辺が4cm以下であることが示された.

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© 2023 日本暖地畜産学会
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