1977 年 20 巻 p. 18-20
9~20カ月齢の育成期間中に栄養条件を違え、その後, 同一条件にて育成し, 次の結果が得られた。
1) 放牧期間中は分娩時まで各群とも標準を上回る養分摂取がなされ, 放牧のみで充分な養分量を摂取していた。特に, 粗飼料主体で育成したL・L区は, すぐれた生草採食能力と同時に顕著な代償性発育を示した。
2) 初産次の受胎頭数および授精回数は各区とも同様な結果が得られたが, L・L区の分娩月齢は遅延した。このことは, 冬期において粗飼料主体で屋外放飼することは困難であり, 最低限の補足飼料が必要であることを示唆している。
3) 第1乳期における哺乳量はH・H; L・H区とも同様な結果が得られたがL・L区は他の区よりも劣った。しかしながらW3/4あたりでは各区とも有意な差が認められなかった。