西日本畜産学会報
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近赤外分光法による食肉の成分分析
岩下 秀逸押川 文夫
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1986 年 29 巻 p. 63-66

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抄録

最近, 飼料の迅速な分析手法として近赤外分光法が導入されており, その精度も, ソフトの開発が進むにつれて向上しており, 実用化の域に達している。そこで, この手法を用いて食肉の分析も可能かどうかを検討する基礎情報を得るため, 生鮮鶏肉を用いて実施した。通常の食肉の化学分析法では, 前処理の凍結真空乾燥法に3日と化学分析に2日の日数を必要としたが, 今回の分析法によると, 生鮮鶏肉をドライアイスと混ぜてホモジナイズしてから近赤外分析計にセットして成分値を測定するまでに, 20分間程度であった。又, 測定値の標準誤差は, 各成分とも0.04~0.23, 95%の信頼限界になったので, 食肉の迅速定量法として採用される可能性を見出せるものと考えられた。

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