西日本畜産学会報
Online ISSN : 1884-6394
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29 巻
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  • 黒崎 順二
    1986 年 29 巻 p. 1-7
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 日高 文昭
    1986 年 29 巻 p. 8-15
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 小田 良助
    1986 年 29 巻 p. 16-20
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    1) 自動車道工事による騒音と地殻振動の影響が乳牛の生産能力低下に及ぼす影響について2戸の農家 (AおよびB) を対象に調査した。
    2) 調査農家Aにおいては, 騒音64~72ホン (A) , 地殻振動54~59dBという低レベルであったが, 泌乳牛に生産低下が出現した。
    3) 乳牛は, 一般に神経質となり, 不安感を覚え, 工事が始まると立ち上がったり, ときには飛び上がったりした。
    4) 産乳量の減少は, 牛体により区々であったが, 感受性の高い個体は著しい乳量低下が出現した。
    5) 発情は, 一般に順調であったが, 種付回数が平時より1~2回多くかかった。また, 中には不妊となったものが現れた。
    6) 飼料摂取は異常を認めず, 乳質低下もなかった。
    7) 泌乳牛では, 環境庁が人に対して規定した騒音と振動許容レベルより低い数値に対しても敏感に反応し, 生産能力の低下を誘起するものと考察される。
  • 栗原 光規, 高橋 繁男, 久米 新一, 相井 孝允
    1986 年 29 巻 p. 21-25
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    乾草給与時の乾乳牛について水分蒸発量に及ぼす環境温度の影響を検討する目的で, ホルスタイン種乾乳牛4頭を2頭ずつA, Bの2群に分け, 九州農業試験場のエネルギー代謝実験室の2室にそれぞれを収容して実験を実施した。環境条件は, 両室とも相対湿度を60%に保ち, 環境温度をA群では1期: 18℃, 2期: 26℃; 3期: 32℃とし, B群ではその逆にした。その結果, 次のような知見を得た。
    1) 乾物摂取量は, 環境温度18℃と26℃とでほぼ同量であったが, 32℃で有意に減少した。2) 熱発生量は, 18℃と比較して26℃でおよそ9%増加したが, 26℃と比較して32℃では乾物摂取量の低下とともに減少した。3) 水分蒸発量は環境温度の上昇とともに有意に増加し, 32℃における全熱放散量に占める潜熱放散割合はおよそ80%であった。4) 水分蒸発量と環境温度, 飲水量, 体温および呼吸数との間の相関係数は, 有意な正の高い値を示した。5) 重回帰分析の結果から, 説明変数として呼吸数のみ, あるいはこれに環境温度と体温を加えることで水分蒸発量を推定しうることが示唆された。
  • 及川 卓郎, 新川 博志, 新城 明久, 喜屋武 幸紀
    1986 年 29 巻 p. 26-31
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    去勢牛572頭のと畜成績を用いて, 沖縄県で供用されている種雄牛の遺伝的評価値 (EPD) をBLUP法により推定した。対象とした形質は枝肉重量, 1日枝肉生産量 (枝肉重量/日齢) , ロース芯面積, 枝肉規格および脂肪交雑評点の5形質である。評価対象の種雄牛14頭のうち11頭は, 複数の県に由来する系統の系統間交配によって造成されたものであった。このうち第7糸桜を父にもち, 島根県で生産された2頭の種雄牛は, 肉の生産性および肉質に関する形質の両方で上位に順位づけられた。他方, 兵庫県産および広島県産の3頭の種雄牛は, 肉質に関する形質では上位に順位づけられたが, 肉の生産性に関する形質では下位に順位づけられた。逆に肉の生産性では上位に順位づけられたが, 肉質に関する形質では下位に順位づけられた種雄牛は, 広島県産の3頭の種雄牛であった。また, 他の6頭の種雄牛は, 両方の形質で中位以下に順位づけられた。ここでの評価値と沖縄県で行われた産肉能力検定間接法の結果を比較すると, 肉の生産性に関する形質では, 両法での順位はほぼ同じであったが, 肉質に関する形質では異なっていた。この差異は, 商業ベースの肥育場の肥育システムと検定場における肥育システムの違いおよび両法における枝肉格付方法の違いによるものと思われる。したがって, 間接法による評価結果を肥育現場に直接応用することは, 誤った評価を行う可能性が高いと示唆されたが, 結論は, 今後の研究に待たねばならない。
  • 平川 守彦, 宮城 悦生, 日越 博信
    1986 年 29 巻 p. 32-37
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本試験は, 亜熱帯地域における野草地の放牧利用に関する基礎的知見を得る目的で行った。
    約5haのススキ優占の原野を3牧区に分け, 10~11か月齢の黒毛和種去勢牛3頭を放牧し, 放牧前, 放牧後, 火入れ後の植生を調べた。火入れ後播種したバピアグラスの定着数や放牧期間中の和牛の日増体量も調べた。また, 有用野草の検討も行った。なお, 不耕起造成は放牧, ススキ刈倒し, 火入れ, 播種の順に行った。
    その結果, 放牧前の植生は, ススキとノアサガオが優占していた。放牧後, ノアサガオやクズは食べられ, 草丈の高いススキは残った。火入れ後の野草地は, カタバミやベニバノボロギクが優占した。火入れ区と無火入れ区におけるバビアグラスの定着数は類似していた。各牧区における日増体量は0.17~0.74kgの範囲であった。有用野草と思われるノアサガオ (Ipomoe indioa Merr.) は, 化学分析の結果, 栄養価の高い草であることがわかった。
    以上の事から, 前植生を抑圧する方法としての火入れが播種後のパヒアグラスの定着に及ぼす影響は小さいものと思われる。しかし, 今もなお, 至る所に不発弾が残っているため火入れは危険であり, むしろ蹄耕法のほうが安全かつ自然をそのまま利用するという点で有利である。また, 野草地には増体に貢献する有用野草があり, 野草のみで放牧利用することも可能である。しかしながら, 集約的な放牧利用を考えると野草地への牧草導入は必要である。
  • 田之上 悠石, 内山 正二, 鹿島 学, 湯ノ口 幸一
    1986 年 29 巻 p. 38-41
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    (1) 母牛の表型相互間及び子牛の表型相互間の相関は, いずれも, ほとんどの項目同志で有意な相関を示した。そして, 相関係数の大きいものは, 体積を構成している体積均称, 中〓, 腿, 体高, 胸囲, 体重, 総合得点等であり, 比較的小さい相関係数を示したのは, 年齢, 資品, 産歴等であった。
    (2) 母牛と子牛との表型相互間の相関は, めす, 去勢子牛とも大体似たような傾向を示し, ほとんどの項目で有意な相関を示した。しかし, 相関係数の値そのものは比較的小さい値を示した。
    (3) 母牛, 子牛項目の主成分分析の結果, 第1主成分, 第2主成分, 第3主成分いづれも1.00程度以上の固有値を示し, 第3主成分までの累積寄与率も80%程度となった。更に, 重みベクトルについては, 母牛, 子牛共第1主成分は体積, 第2主成分は資品と推定され, 第3主成分は不明確であった。
  • 立山 昌一, 田崎 道弘, 猪八重 悟, 川畑 孟, 湯ノ口 幸一
    1986 年 29 巻 p. 42-45
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    黒毛和種雌牛の育成条件が繁殖に及ぼす影響を検討するため, 4ヵ月齢の子牛を, 粗飼料多給区 (A区) と濃厚飼料多給区 (B区) の2区について, 19ヵ月齢まで飼育した。その間の発育状況, 飼料採食量, 体構成, 生殖器や乳器の発育および初回発情について検討した。
    その結果, 発育値ではA区はB区に比べて体重や体の幅や長さをあらわす部分で有意に低かった。19ヵ月齢までの濃厚飼料の採食量は制限給与のため, A区で少なかったが, 粗飼料はかえって多くなった。しかし, 両者の合計採食量はB区の方が多かった。
    枝肉の体構成についてみると, B区はA区と比べて筋肉の割合が少なく脂肪が多かった。生殖器重量や乳線乾物量は性成熟に達したものでは差がなく, 初回発情日数でも有意な差はなかった。
  • 田口 清実, 上田 修二, 井上 尊尋
    1986 年 29 巻 p. 46-48
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    受精卵の簡易回収法として, シリンダー静置法にかわるスクリーン篩別法について検討した。
    1.メンブランフィルターホルダーに74μmのスクリーンをセットし, 灌流液にイーグルMEMを使用して卵の回収試験を実施したところ, 97~98%の高回収率が得られた。
    2.作業時間は, 篩別に約2分, 検索時間も10~24分と非常に短縮され, 作業も容易であり, 高い実用性が認められた。
    3.回収卵は, 1回及び2回目洗浄で得られ, その回収率は, 1回目95~97%, 2回目1~2%であった。
    4.血清を含まない生理食塩水では, 約50%の低回収率であった。
    5.粘液が多い場合, 卵が粘液の辺縁に付着する傾向があったが, 血球が多くても, きれいな視野で検索することができた。
  • 福田 憲和, 西尾 祐介, 上野 呈一
    1986 年 29 巻 p. 49-51
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    採卵鶏のウィンドウレス鶏舎の点灯用電力量の節減を目的とした点灯時間短縮・間欠点灯併用方式の実用性を検討するために, 市販白色レグホン種を用いて, 1日の点灯時間を育成期8時間一定・成鶏期漸増後17時間一定とする現行方式を対照区とし, 育成期5時間一定・成鶏期漸増後14時間一定とし併せて4~18週齢と41週齢以後の点灯は30分ごとに点灯消灯を繰り返す短縮・間欠併用方式を比較した。その結果, 現行方式は性成熟が早く成鶏期前半の産卵率は有意に高かったが, 成鶏期の累計産卵率は両方式に差はなく, 短縮・間欠併用方式は飼料消費量の減少により飼料要求率が改善され, 短縮・間欠併用方式の全期間点灯用電力量は, 現行方式の約53%であった。
    このことから, 点灯時間短縮と間欠点灯の併用は産卵性に悪影響はなく, 飼料及び電力の節減に有効であり, 実用性が認められた。
  • 大石 登志雄, 竹原 誠, 藤島 直樹
    1986 年 29 巻 p. 52-54
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    トウモロコシ又は大麦ホールクロッブサィレージ (WCS) の給与期間が, 肥育に及ぼす影響について検討した。
    1.16ヵ月齢までWCSを多給 (DM23.8%で約3.3トン) し, 以後20ヵ月齢まで濃厚飼料を多給した肥育前期中期WCS多給型肥育法の増体, 飼料効率及び枝肉成績は濃厚飼料多給型肥育法と差はなかった。
    2.全期WCS多給型肥育法 (同約4.8トン給与) では20ヵ月齢で664kg, 1日増体重 (DG) 1.04kgの良い成績が得られ, 枝肉成績も大きな難点はなく, ほぼ満足できるものであった。
  • 赤木 道博, 久楽 由雄
    1986 年 29 巻 p. 55-58
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    当場において系統造成中のランドレース種を用いて, 生産条件と肉質との関係を調査し, 次の結果を得た。
    1.当場ランドレース種G5・G6の肉質の各平均値は, 肉色がPCSで3.6, 水分含有率72.7%, pH5.54, 保水力は78.0, 伸展率21.3cm2/g, 腎脂肪融点39.8℃, 食味の総合評価で1.7 (1=わずかに~2=すこし良い) を示した。
    2.生産条件と肉質との関係をみると, 日齢と肉色, 季節とpH・伸展率および脂肪融点との間, 飼料と脂肪融点, 性とロース断面積・pHおよび香りとの間に密接な関係が認められた。
    この結果, 160日齢での出荷でも早過ぎて肉質に悪影響を及ぼすということはなく, 冬出荷は脂肪の融点が高くなり, また, 肉の香りの点から去勢の重要性が示唆された。
  • 島村 真吾, 貝 昌之, 宗綱 良次
    1986 年 29 巻 p. 59-62
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    夏期暑熱対策を目的とした夜間舎外飼養が牛体温に及ぼす影響について検討し, 日内の各時間において, 体温に影響を与える主要要因を推定するとともに, 乳量と飲水量の相関について検討し, 次の結果を得た。
    (1) 体温は, 夜間舎外飼養に夕方放牧を加えた区が最も低く, 夜間舎外飼養区, 終日舎内飼養区の順に高くなり, 夜間舎外飼養の効果を認めた。
    (2) 体温変動要因としては気温, 湿度のほか, 乳量, 体重, 養分給与量による影響が大きかった。
    (3) 乳量と飲水量との間には, 有意な正の相関があり, 暑熱時の高泌乳牛では, 飲水量の増加により体温上昇を抑制していることが推察された。
  • 岩下 秀逸, 押川 文夫
    1986 年 29 巻 p. 63-66
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    最近, 飼料の迅速な分析手法として近赤外分光法が導入されており, その精度も, ソフトの開発が進むにつれて向上しており, 実用化の域に達している。そこで, この手法を用いて食肉の分析も可能かどうかを検討する基礎情報を得るため, 生鮮鶏肉を用いて実施した。通常の食肉の化学分析法では, 前処理の凍結真空乾燥法に3日と化学分析に2日の日数を必要としたが, 今回の分析法によると, 生鮮鶏肉をドライアイスと混ぜてホモジナイズしてから近赤外分析計にセットして成分値を測定するまでに, 20分間程度であった。又, 測定値の標準誤差は, 各成分とも0.04~0.23, 95%の信頼限界になったので, 食肉の迅速定量法として採用される可能性を見出せるものと考えられた。
  • 後藤 孝一, 中嶋 達彦, 緒方 喜代子
    1986 年 29 巻 p. 67-70
    発行日: 1986/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    1.昭和57年度より技術実証を行うため, 推進体制の組織化を図り事業推進に努めた。
    2.卵回収状況は年々向上し, 平均回収卵数は1頭当たり12.3個, そのうち正常卵は7.3個で正常卵率は約60%であった。
    3.過剰排卵処理方法は, PMSG投与法に比べFSH単味減量投与が正常卵の回収率を高める傾向にあった。
    4.移植成績は3年間を平均すると新鮮卵で35, 4%, 凍結卵で23.1%であり受胎率においては年々向上してきたが, サブセンターごとの差がみられた。なお, 胎盤胞期のものが受胎率が高く, ランク別ではAが高かったが, BおよびCランクの受胎もみられた。
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