1987 年 30 巻 p. 79-81
黒毛和種雌牛延8頭から採取した7日令受精卵を使って, 凍結前・融解後の耐凍剤グリセロールの添加・除去を6段階濃度で行いその生存性を培養によって調べた。
供試した40個の中の32個が生存と判定され, その生存率は80.0%であった。グレード別ではAランク (81.3%) がBランク (75.0%) に比べてやや高かったが有意差がなく, Bランクの凍結も本法により可能であることが判明した。
発育ステージ別では桑実胚期に比べ胚盤胞期の方が凍結及び融解処理に強い傾向が伺えた。
耐凍剤グリセロールの添加濃度は1mol/l及び10%とも生存性に有意差は認められなかったが, 後老でやや高い傾向がみられ, 凍結液の濃度調整も簡易であった。