西日本畜産学会報
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牛受精卵の凍結融解方法と現場移植について
緒方 喜代子後藤 孝一平山 忠一木場 俊太郎山下 秀憲中島 達彦高橋 繁一郎守永 正秀佐藤 敬明
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1988 年 31 巻 p. 51-53

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抄録
褐毛和種及びホルスタイン種に過排卵処置を行い, 人工受精後7~8日目に延べ27頭から採卵した桑実期から拡張胚盤胞期の受精卵に耐凍剤を2段階で添加し4段階で除去する方法 (4ステップ法) と耐凍剤を1段階で添加し1段階で除去する方法 (1ステップ法) によって凍結融解処理をして現場移植を行い, その生存性と受胎率について調べた。
4ステップ法で凍結融解した受精卵の生存性の判定は形態的な変化に基づき生存しているものを損傷の程度によりA, A', B, C, 死滅しているものをDとして分類し, 90.2% (110/122) が生存していた。
4ステップ法では, センターで融解し移植した時の受胎率は42.9% (21/49) , 現場で融解し移植したときの受胎率は20.6% (7/34) であった。
1ステップ法では, 10%グリセロールと受精卵の層をシュークロース層ではさんだA法の受胎率は26.7% (4/15) , 最下層にM-PBS, 10%グリセロール層, 10%グリセロールと受精卵の層, シュークロース層と充填法に改良を加えたB法では, 34.6% (9/26) であった。なお, 1ステップ法はすべてストローから受精卵を取り出さずに移植したので生存率は不明である。
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© 日本暖地畜産学会
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