西日本畜産学会報
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鶏凍結精液の受精率改善と融解後の効率的利用法
西尾 祐介石山 英光井上 尊尋
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1991 年 34 巻 p. 50-54

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抄録

プログラムフリーザーを用いた鶏精液の凍結保存技術について, 高くかつ安定した受精率が得られる凍結プログラムを探索した。また融解後の精液からより多くの受精卵を得られる利用方法について検討した。
アルミアンプルに封入した鶏精液を, 4種類の凍結プログラムを用いて凍結し, 融解後の受精率を調査した。その結果, 5℃/分一定の速度で凍結するプログラムが72.5%の最も高い受精率が得られ, 実用的レベルに達した。ただし, 各プログラムを実行した際の精液の温度降下状況について観察した結果から, 今回5℃/分のプログラムで見られた直線的な温度降下が実現するように配慮すれば, 多少異なる凍結速度でも高く安定した受精率が得られると推察された。
融解後の精液については, 遠心分離後の最終希釈量を1.5倍に増量すること, 及び雌鶏への人工受精量を0.2ml/羽から0.1ml/羽に減量することの2点について検討した。その結果, いずれも精液1ml当たりから得られる受精卵数が1.5倍以上に向上し, 凍結精液の効率的利用法として実用的であることが判明した。

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