西日本畜産学会報
Online ISSN : 1884-6394
Print ISSN : 0914-3459
ISSN-L : 0914-3459
西南暖地における分娩月別泌乳曲線と乳生産性
田中 和宏井口 寿郎川畑 明治山下 光則川野 洋今村 一秋
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 39 巻 p. 23-30

詳細
抄録

搾乳牛の分娩時期によって泌乳曲線がどのように変化するかを考察する目的で, 分娩月別泌乳曲線を作成し, 分娩月別の乳牛による夏期における生産性や経済性を検討した。
初産, 経産牛ともに4~8月分娩牛はピークのほとんどない泌乳曲線になり, 特に乳量水準の高い8, 000kg以上の牛で5~8月分娩牛になると乳量水準も低くなった。
2~4月分娩牛の305日生産乳代がもっとも高く, 5, 6月分娩牛がもっとも低く, 8~12月分娩牛は夏期乳生産にほとんど貢献していなかった。
結論として夏期需要期における乳生産のためには, 分娩時期を考慮することが必要であり, 経済性と繁殖サイクルを含む生産性から考慮すれば, 夏 (5~7月) 分娩は望ましくなく, それよりやや早い2~4月分娩の方がより望ましいと考えられる。

著者関連情報
© 日本暖地畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top