西日本畜産学会報
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黒毛和種種雄牛候補牛の超音波測定値を用いた総合選抜指標に関する研究
東 和彦大山 敏坂東島 直人石田 孝史原田 宏
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2007 年 50 巻 p. 71-76

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抄録

黒毛和種種雄牛候補牛の若齢時における枝肉形質関連部位の超音波測定値および産肉能力直接検定, 現場後代検定の成績を用いて, 種雄牛候補牛の総合選抜指標について検討した.種雄牛候補牛については宮崎県家畜改良事業団において直接検定を終了した432頭の雄牛を用い, 第7胸椎部の胸最長筋横断面積 (MLTA) , バラ厚 (RT) , 皮下脂肪厚 (SFT) , 筋問脂肪厚 (IMFT) , 脂肪交雑 (MS) , 第13胸椎部の胸最長筋横断面積 (MLTA13) を取り上げ, 単形質アニマルモデルによって遺伝率の推定を行った.直接検定終了時における超音波測定値の遺伝率はMLTA, MLTA13, RT, SFT, IMFTおよびMSでそれぞれ0.07, 0.03, 0.11, 0.36, 0.14および0.35であった.また, 種雄牛候補牛25頭の超音波測定値およびその育種価推定値は, MLTA, MLTA13, RTおよびSFTにおいて, それらの後代検定牛342頭の枝肉格付成績と有意な相関関係が認められ, 正の相関係数が得られた.後代検定牛のMLTAおよびRTを従属変数, 種雄牛候補牛の枝肉形質測定値を独立変数とした重回帰分析では, 49.7%と63.9%の中程度の寄与率が得られ, それぞれに対応する形質が最も高い標準偏回帰係数で取り上げられた.

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