水資源・環境研究
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論説
琵琶湖国定公園指定に際しての景観計画に関する考察
小沢 晴司
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2012 年 25 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

自然公園は、日本の自然景観地を保護しその利用を図るための地域計画である。その景観計画は、現在、国立公園基本調査標準(1953年)に基づく調査事項等により検討される。1950年指定の琵琶湖国定公園は、同標準の前身国立公園調査要目により1941年に景観計画のための調査が開始され、1943年には当初指定の区域案が調整されている。1950年、国定公園(国立公園に準ずる区域)指定時の区域は、琵琶湖を中心に周囲の名山等陸域の一部を含む形で決定されている。子細をみれば、比叡山からつながる日吉大社や長等山域の三井寺等が区域に指定されながら、多賀大社や胡宮神社を含まず、また、繖山や観音寺山が区域とされながら、三上山や鏡山、田上山等が含まれていない。本稿では、琵琶湖周辺の山の立地条件等を比較し、琵琶湖国定公園区域指定に際しての景観計画について考察した。その結果、琵琶湖本湖、内湖、又は同干拓地への接続の有無等が、景観計画の骨格をなす区域指定を左右する事情が抽出された。

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