水資源・環境研究
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論説
土地改良区による環境用水導入の成立要因
滋賀県野洲川土地改良区の冬期通水を事例として
松 優男秋山 道雄
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2014 年 27 巻 2 号 p. 26-35

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抄録
これまでに利用されてきた環境用水を機能の面からみると、大きく①水質保全、②アメニティの保全と再生、③生物多様性保全、という3類型に分けられる。こうした環境用水の導入に対する潜在的なニーズは高いが、それを成立させるためには一定の条件を満たす必要がある。都市化が進行している地域では、都市住民による環境用水導入のニーズが高い一方、従来、農業用水を管理してきた土地改良区は、都市化に対応し得る水管理体制の再編を迫られている。したがってこうした地域では、関係者・関係機関の合意形成を図りつつ、環境用水を成立させるための条件をいかに備えていくかという点を解明することが課題となっている。本研究では、地域用水機能増進事業を通じてこの課題に取り組み、環境用水の導入を成立させた滋賀県野洲川土地改良区を対象として、その過程と要因を分析した。
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© 水資源・環境学会
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