水資源・環境研究
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研究ノート
映画『シロウオ』に見る蒲生田原発反対運動の軌跡
田渕 直樹
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2017 年 30 巻 2 号 p. 85-89

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抄録
1960~80年代四国3県で計画された原発立地の中で、映画「シロウオ」で描かれた徳島県阿南市椿町の蒲生田原発立地計画は、四国電力株式会社が2度目に撤退したものである。住民は個人から隣組、傍示へと反対運動を拡大し、漁村の椿泊町では漁協総会で反対の議決が行われた。市議会と県議会では推進派が多数であったが、反対派議員が活発に活動した。そして住民は集団で県知事や県議会、市長や市議会に陳情・請願を行い、県外から専門家を招いて活発な学習会を行った。つまり強力な住民運動の上に、労働組合や市外の自治体や漁協、県外の専門家や市民の支援を得て、「原子力ムラ」と対峙することを可能にしたのである。更に、スリーマイル島原発事故や四国電力株式会社の醜聞も重なり、市長・県知事は立地計画を白紙撤回した。
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