水資源・環境研究
Online ISSN : 1883-9398
Print ISSN : 0913-8277
ISSN-L : 0913-8277
特集論説
小浜湾における新基準「沿岸透明度」の目標値設定プロセスと地域合意に関する考察
西野 ひかる
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 31 巻 1 号 p. 16-22

詳細
抄録
沿岸透明度の目標は、2013年より水質汚濁にかかる環境基準の追加に関して検討された後、2015年の中央環境審議会答申を受け、水環境の実態を国民が直感的に理解しやすい指標として、地域の合意形成により地域にとって適切な目標(地域環境目標)として設定することとなった。環境省は地方自治体向けのガイドラインの作成のために、2017年1月~3月に小浜湾と諏訪湖でモデル事業を実施した。「小浜湾における沿岸透明度の目標設定検討会」では、小浜湾の特性に関する情報整理の後、①水生植物の保全・再生の観点から、対象種の選定と設定範囲、目標値の設定、②親水利用の場の保全の観点から、親水利用の行為を踏まえた目標値の設定、③両者を重ね合わせた水域あてはめと目標値の決定、④結果の活用方法の検討などがなされた。この検討会に参加する機会を得たので、地域の環境保全団体の立場から、この新しい指標について、特に地域の合意形成についての意見を記す。
著者関連情報
© 水資源・環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top