水資源・環境研究
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特集研究ノート
高時川の濁水発生メカニズムと土砂問題の行方
原田 守啓, 仲谷 葵, 大久保 卓也
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ジャーナル オープンアクセス

2026 年 39 巻 1 号 p. 34-39

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抄録
 滋賀県北部を流れる高時川では、2022年8月豪雨以降、濁水が長期化した。本稿は、濁度の連続観測、河床材料の現地調査、降雨流出氾濫(RRI)モデルによる流量再現等を用い、濁水長期化要因を土砂水理学的に整理・考察した。濁水は、上流域で降水量が多かった際の「上流大雨パターン」に加え、中小出水であっても濁りが継続し、流下過程で濁度が上昇する「中小出水パターン」が重なって生じていると考えられた。山間地区間を流下する間に生じる濁度の上昇は、河床表層に含まれる細粒分の放出が主要因であることが確かめられ、細粒分放出量の逆算により、数mg m−2 s−1程度の放出でも濁度の上昇が説明できた。また、繰り返し出水を受けることによって河床表層の細粒分が洗い流され、中小出水パターンによる濁水が軽減されつつある状況と今後想定される懸念について述べた。併せて、濁水がアユの生育・産卵環境へ及ぼす影響と、土砂問題に対応するための社会的課題を論じた。
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