抄録
上水道施設のような都市施設は利用者に直接便宜をもたらすだけでなく,多様な社会的(外部)効果をもたらし,それゆえに,都市への人間活動の集積を可能にする。したがって,社会的(外部)効果の受け手と都市施設費用の負担者炉一致しない場合,都市施設への需要の制約がなくなり,他方で,その供給費用がどんどん膨らむこととなる。それゆえに,社会的(外部)効果の受け手と都市施設の負担者を一致させるような費用負担制度が求められることとなる。
わが国における創設期以来の上水道施設の例を大阪市に求め,そこにおいてどのような費用負担制度がとられていたのか,またそれがどのように変容してきたのかを検討した。このようなパースペクティブで費用負担制度を検討することは,その社会的な意味を明らかにするであろう。