木材学会誌
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一般論文
アセトアセチル化PVAを保護コロイドに使用した酢酸ビニル樹脂エマルジョンの物性と接着性
山田 雅章滝 欽二吉田 弥明江崎 竜彦
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2007 年 53 巻 1 号 p. 25-33

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抄録
最近開発された反応性の高いアセトアセチル基を側鎖の一部に導入したAA化PVAを保護コロイドに用いた耐水性の酢酸ビニル樹脂エマルジョン(EPVAc)を合成した。そして,接着剤の物性と木材接着性能について一般のEPVAcと比較検討した結果,以下のことが明らかとなった。
1)20℃および60℃処理では接着剤の物性に大きな変化は認められなかったが,120℃で2時間以上の加温を行った場合はAA化PVAが自己架橋を起こし,PVAのガラス転移に基づくE″ピークの高温側へのシフトや高温域におけるE′の低下が抑えられた。
2)AA化PVAを保護コロイドに使用すると,酢酸ビニル樹脂エマルジョンフイルムの水への溶解性が低下し,吸湿性が向上することがわかった。また,吸湿フイルムの動的粘弾性により,加温処理を行ったAA化PVAは吸湿による可塑化の程度が低く貯蔵弾性率の低下が抑えられることがわかった。
3)AA化PVAを使用した酢酸ビニル樹脂エマルジョンは通常PVAを使用した酢酸ビニル樹脂エマルジョンに比べて耐水接着性能が高く,特に120℃で加温処理を行った場合に飛躍的に木材接着性能が向上することが明らかになった。
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© 2007 一般社団法人 日本木材学会
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