抄録
樹木の炭素吸収能力の経年変化を推定するために,年輪幅と年輪内平均密度から樹幹全乾重量の増加量の年変動を推定する方法を検討することを目的とした。スギ24個体について,地上0.2m部位から頂端までを 1 mごとに玉切った丸太の元口から約 5~10 cm厚さの円盤を採取した。このうち直径が約10 cm以上の円盤について髄を含むストリップを作製し,軟x線デンシトメトリにより年輪幅及び年輪内平均密度を測定した。また,残りの部分を用いて円盤の全乾重量を測定し,試料採取時の丸太と円盤の重量比により 1 m丸太の全乾重量に換算した。年輪幅から求めた各年輪の面積に,その年輪の年輪内平均密度を乗じたものを合算し,それに丸太長を乗じて求めた丸太の推定重量は,実測の全乾重量と有意な直線関係にあり,年輪幅と年輪内平均密度から丸太の全乾重量の推定が可能であると考えられた。