木材学会誌
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一般論文
ストランド・パーティクルボード(SPB)の製造技術(第3報)
イソシアネート系接着剤(EMDI)がボード材質およびパンクに及ぼす影響
吹野 信堀江 秀夫下久根 宣樹小川 尚久
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2007 年 53 巻 4 号 p. 187-193

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抄録

接着剤にイソシアネート系樹脂(EMDI)を用いた小型のストランド・パーティクルボード(SPB)を製造した。接着剤添加率(3,6%),表層マット含水率(5,10,15,20%),熱圧温度(170,200,230℃)がSPB材質に及ぼす影響を検討した。また,接着剤添加率(10%),表層マット含水率(20%),熱圧温度(170,200,230℃)がSPBのパンクに及ぼす影響を検討した。得られた結果は以下のとおりである。
1)熱圧温度230℃,接着剤添加率6%,表層マット含水率15%の条件で最も優れた材質のSPBが得られ,その材質は,ボード密度0.62 g/cm3,はく離強さ0.93 MPa,曲げ強さ43.1 MPa,吸水厚さ膨張率1.9%であった。
2)表層マット含水率20%では,製造ボードのすべてで表層ストランド部分にパンクを生じた。
3)EMDIとマット中の水分の反応により発生する二酸化炭素が熱圧時のパンクおよびボード材質に影響を及ぼす可能性が考えられた。

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© 2007 一般社団法人 日本木材学会
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