抄録
本研究は,針葉樹3樹種の各種前処理材を用い,仮道管中の液体移動を可視化,連続観察した。得られた結果は,以下の通りである。1)毛管圧浸透による浸透長は,浸透・停滞を繰り返し,前処理によっていずれも増大した。増加の程度は,無処理材≦熱水抽出処理材<横圧縮前処理材<熱水抽出・横圧縮複合処理であった。2)浸透速度に及ぼす減圧度の影響は,難浸透のスギとベイマツでは,浸透効果に前者で抽出物による界面のぬれと壁孔閉鎖,後者で有効通路の横圧縮による開放が大きく関係していることが示唆された。3)仮道管相互の液体移動は,ヒノキ材では移動が容易で,ベイマツやスギ材ではその移動が殆ど認められなかった。4)減圧下の液体移動には2種の異なる形状の気泡を観察した。丸形気泡は,隣接仮道管からの空気の流入,長径気泡は仮道管縦方向のキャビテーションに基づき発生することが推察された。