木材学会誌
Online ISSN : 1880-7577
Print ISSN : 0021-4795
ISSN-L : 0021-4795
カテゴリーIII
木質床材の外観特性を記述する画像特徴量および印象評価との対応
仲村 匡司 齋藤 あかね岡田 直樹
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 62 巻 4 号 p. 108-118

詳細
抄録

木質床材の製造者はより高い木質感を製品に付与しようとするが,その程度を客観的に評価することは一般的に難しい.そこで本研究では,木質感に寄与する床材の外観特性を画像特徴量で記述する評価技術の考案を目指した.まず47種類の木質床材を収集し,その材面を様々な方位から照明して精細に撮影した.得られた画像を多重解像度コントラスト解析および相関解析に供して,4つの画像特徴量(材面の細かい特徴の鮮明度,木目模様の鮮明度,コントラストの異方性,照りの移動)を抽出し,これらが各試料の光反射などの外観特性をうまく表しうることを確認した.続いて,新たに収集した20種類の木質床材について同様の画像特徴量を算出するとともに,それらの見た目の印象を24名の一般消費者に評価させた.印象を目的変数に,画像特徴量を説明変数に設定した重回帰分析により,今回の画像特徴量は一般消費者の主観的な見えの評価にも対応すると判断された。

著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本木材学会
前の記事 次の記事
feedback
Top