木材学会誌
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カテゴリーII
木材の振動的性質の中央加振法による測定
結城 雅晶桃井 尊央 小林 純大林 宏也
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2017 年 63 巻 5 号 p. 196-203

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抄録

制振材料の振動的性質の測定には中央加振法が用いられているが,この方法は木材にはほとんど用いられたことがない。そこで,木材の振動的性質の測定における中央加振法の特徴を把握するために,中央加振法(JIS準拠の測定装置)および両端自由たわみ振動法,片持ちはり法で同一のシトカスプルース材の動的ヤング率(E')および損失正接(tanδ)を測定して比較し,固定条件や振動モードなどについて検討した。また,装置の簡略化を目的とした中央加振法の測定装置を試作し,併せて検討した。その結果,試作した装置(中央加振法)での測定値(E'とtanδ)は,JISの規格に準拠した装置(中央加振法)での測定値とほぼ同一の値を示した。中央加振法のE'は両端自由たわみ振動法でのそれとほぼ同一であった。中央加振法のtanδは両端自由たわみ振動法のそれより高く,片持ちはり法でのそれに近い値を示した。

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© 2017 一般社団法人 日本木材学会
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