2022 年 68 巻 2 号 p. 88-96
カラマツの成熟材部から採材されるラミナの材料特性を検証することを目的とし,末口径20cm以上の原木から採材したラミナ原板 (従来ラミナ) および,末口径26cm以上の原木の成熟材部から採材したラミナ原板 (側取りラミナ) の縦振動ヤング係数およびねじれの計測を行った。また,製材厚さおよび横切り回数と縦継ぎラミナの製造歩留まりの関係を調べたほか,集成材およびCLTで製造可能な強度等級のシミュレーションを行った。側取りラミナは従来ラミナに比べ縦振動ヤング係数は高く,ねじれは小さかった。厚さ30mmの縦継ぎラミナの製造時,側取りラミナでは原板の製材厚さを35mm,横切り回数を原板1枚に対して1回としたとき歩留まりが最大となった。側取りラミナでは集成材で対称異等級構成E150-F435,CLTでMx120およびS120の強度等級が実現可能であった。