市販の板紙から試験体を採取し,簡易な試験装置を使用して両端単純支持状態で座屈試験を実施した。座屈試験では荷重Pおよび荷重点変位xを測定した。また,P-x関係からelasticaの理論に依拠して試験体中央部のたわみδ,および曲げヤング率EBを求め,(A)P-x関係の平坦部の荷重,(B)P-x関係の非線形開始点,(C)Southwellの方法(D)δ/Pの最小値における荷重および(E)Eulerの式の5つの方法で座屈荷重を評価した。その結果,ここで使用した簡易な装置で適切に板紙の座屈試験を実施することが可能であると示された。また,ここで検討した5つの方法の中では簡便で客観的な(D)の方法が適切であることが示唆された。