福祉社会学研究
Online ISSN : 2186-6562
Print ISSN : 1349-3337
【特集Ⅱ】市民福祉の制度化
介護サービスの制度化をめぐる障害者たちの運動
山下 幸子
著者情報
キーワード: 介護, 制度化, 障害者運動, 協働
ジャーナル フリー

2019 年 16 巻 p. 135-153

詳細
抄録

本稿の研究目的は次の3 点を論じることである.①障害者たちは,法制度制

定に対し,どのような運動を展開してきたのか,②必要な介護内容や介護量を

得るにあたって,障害者たちは市町村にどう働きかけてきたのか,③行政と障

害者運動との関係の変容と,障害福祉サービスが制度化された現在における課

題,である.

 障害者運動は国に対し,自身の生活実態に沿った要求提示を行い,政策提言

を行ってきた.そして障害者たちは,介護サービスを受けるにあたり,各市町

村への働きかけを行ってきた.本稿では大阪市を例に挙げ,介護の支給をめぐ

る市と障害者団体との検討の内容と経緯をみた.そこで,制度構築において障

害当事者・支援者の声を拾い上げ,共有する場の必要が明らかになった.これ

までの議論を踏まえ,行政と障害者運動との関係が「対決」のみならず「協働」

というキーワードで語られうることと,協議・協働が可能となるような場と仕

組の設定が,今後の障害福祉における課題となることを述べた.

著者関連情報
© 2019 福祉社会学会
前の記事 次の記事
feedback
Top