福祉社会学研究
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Print ISSN : 1349-3337
┃特集論文Ⅱ┃人が生まれ育つのを社会的にどう支えるか――こども家庭庁の創設をうけて
「子どものために」を問い直す
子どもとのパートナーシップを築くアドボカシーの実践から
川瀬 信一安藤 藍
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2025 年 22 巻 p. 77-

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抄録

子どもの意見表明権の保障は,周知のように子どもの権利保障の重要な柱である.しかし,子どもの意味のある参加の実現には課題が多く,日本の文脈においてなぜそうした課題が生じるかもさほど検討されていない.そこで本稿は,一時保護所の子どもアドボカシー実践の事例分析を通して,「子どもの声を聴く」ことを阻害する要因とその背景を実践例から検討することで,これからの子どもの意見表明権保障の議論に資する素材の提供を目的とした.実践例の検討から,まず,子ども主体の表明する権利が十分保障されず,大人主導の聞き取りになりやすい問題があがった.その理由に,支援者の子ども観が保護に傾倒しやすく,その背景には構造的な要因が推察された.またとくに社会的養護領域では,養育環境の秩序維持と個別の子どもの願いの板挟み,人間関係の流動性といった特徴のもとで行うアドボカシーの難しさが挙げられた.これらは,「子どものため」と掲げながら,支援者が支援を限定し,抱え込もうとするメカニズムを指摘している.それに対して,子どもとのパートナーシップ構築の必要性,子どもの声を起点としたシステムの構想,市民参加の重要性を主張した.本稿は「子どものため」に潜む権力性の一端を描いたものだが,福祉社会学と子ども社会研究等の学際的な「子ども」研究にも通ずる作業であると考える.

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