2010 年 7 巻 p. 7-23
2009年の福祉社会学会大会でシンポジウム「(共助の時代〉再考」が開
催され,筆者はその企画を担当したーその趣意文は以下である。例えば
2000年の公的介護保険の開始までの間に,そしてその後に,何が日本の
社会に起こってきたのか明日の我が身」が,そしてそのために,また
それに加えて「共助」が語られてきた。語られてきただけでなく,その
ような仕組みができて,社会福祉とはそのようなものであるということに
なった。そしてその時皆が,有限性の認識を「程々に」という良識を,
分け持っていたそのようにも見えるのだが,その見立ては外れているの
かもしれない。すくなくとももっと様々があったし,あるのだろう。そし
てその経緯,現況をどう評定し,そして今後を展望するか。報告者,討論
者の方々に話していただき,そして考えてみたい」本稿では,このシン
ポジウムの報告者であった後藤玲子と天田城介が本誌に寄せた論文から私
たちが何を受けとることができるのか,それをどのようにこれからの我々
の考察・研究につなげていくことができるのか,私の考える何点かを記す
ものである。