抄録
低合金鋼のHAZ靭性改善手法の一つに、介在物によるピン止め効果によりオーステナイト粒粗大化を抑制し破壊単位を微細化する手法がある。しかし、微細なオーステナイト粒を得るために必要な鋼中介在物の必要条件は必ずしも明確ではない。そこで、これらの条件などを含む材料組織を予測できるコンピュータシミュレーションモデルの構築が求められている。そのような材料組織予測を比較的容易に行う汎用ソフトとして、フェーズフィールド法を活用したMICRESSが普及している。本報告では、粒界移動度にピン止め効果の影響を考慮する手法を提案し、その妥当性を検証した。