2003 年 72 巻 1 号 p. 2-11
低濃度で人体に影響を及ぽすアクリルアミドは、水処理に用いられる有機高分子凝集剤に、不 純物として含有される化合物である。今回我々は、液休クロマトグラフ/質量分析計によって、0. 02μg /lのアクリルアミドを定量可能とし、淀川水系における濃度調査を行った。また、オゾン及び塩素処理 による挙動についても調査した。淀川水系におけるアクリルアミドは、0.02未満から0. 07μg/lの濃度 範囲であった。アクリルアミドの処理性については、注入率l1mg/Iのオゾン処理水中で、瞬時に分解 することがわかった。一方、塩素処理では、注入率の増加に伴って緩やかな速度で濃度減少することが 明らかとなった。