天然の女性ホルモンである4種のエストロゲン(エストロン、17a —エストラジオール、17β-
エストラジオール、エストリオール)、及び経口避妊薬等の成分であるエチニルエストラジオールにつ
いて、高速液体クロマトグラフータンデム質量分析計(LC/MS/MS)を用いた同時分析法の検討を行っ
た。複数の安定同位体標識物質をサロゲートとして使用し、固相抽出で5,000倍濃縮を行うことで、LC
/MS/MS法により、エストロンは1 ng/l、その他のエストロゲンは2 ng/lまで定量可能となった。本方
法を用いて、水系別に東京都の7浄水場の原水、浄水中のエストロゲンを測定したところ、冬季に1地
点の浄水場原水からエストロンが検出されたが(1.1ng/l)、その他の物質及び地点では全て不検出であ
った。塩素処理によるエストロゲンの挙動を確認するため、水道水を用いたエストロゲン(それぞれ10
ng/l) の塩素接触試験を行ったところ、接触後30分には5物質とも定量下限値未満に低減した。
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