水道協会雑誌
Online ISSN : 2435-8673
Print ISSN : 0371-0785
72 巻, 1 号
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「報文」
  • 森賓 圭二, 原 郁夫, 塩出 貞光
    2003 年 72 巻 1 号 p. 2-11
    発行日: 2003/01/01
    公開日: 2022/11/30
    ジャーナル フリー
    低濃度で人体に影響を及ぽすアクリルアミドは、水処理に用いられる有機高分子凝集剤に、不 純物として含有される化合物である。今回我々は、液休クロマトグラフ/質量分析計によって、0. 02μg /lのアクリルアミドを定量可能とし、淀川水系における濃度調査を行った。また、オゾン及び塩素処理 による挙動についても調査した。淀川水系におけるアクリルアミドは、0.02未満から0. 07μg/lの濃度 範囲であった。アクリルアミドの処理性については、注入率l1mg/Iのオゾン処理水中で、瞬時に分解 することがわかった。一方、塩素処理では、注入率の増加に伴って緩やかな速度で濃度減少することが 明らかとなった。
  • 今井 美江, 宇田川 富男
    2003 年 72 巻 1 号 p. 12-20
    発行日: 2003/01/01
    公開日: 2022/11/30
    ジャーナル フリー
    天然の女性ホルモンである4種のエストロゲン(エストロン、17a —エストラジオール、17β- エストラジオール、エストリオール)、及び経口避妊薬等の成分であるエチニルエストラジオールにつ いて、高速液体クロマトグラフータンデム質量分析計(LC/MS/MS)を用いた同時分析法の検討を行っ た。複数の安定同位体標識物質をサロゲートとして使用し、固相抽出で5,000倍濃縮を行うことで、LC /MS/MS法により、エストロンは1 ng/l、その他のエストロゲンは2 ng/lまで定量可能となった。本方 法を用いて、水系別に東京都の7浄水場の原水、浄水中のエストロゲンを測定したところ、冬季に1地 点の浄水場原水からエストロンが検出されたが(1.1ng/l)、その他の物質及び地点では全て不検出であ った。塩素処理によるエストロゲンの挙動を確認するため、水道水を用いたエストロゲン(それぞれ10 ng/l) の塩素接触試験を行ったところ、接触後30分には5物質とも定量下限値未満に低減した。
「資料」
  • 小林 仁彦
    2003 年 72 巻 1 号 p. 21-32
    発行日: 2003/01/01
    公開日: 2022/11/30
    ジャーナル フリー
    国内において、途上国で活動している専門家の実情を知ることは難しい。その理由として、必 要な情報が得られにくいことが挙げられる。そこで、本文は、個別専門家として、ケニアに赴任したこ とを、一事例でしかないが報告することで、日本政府が実施している国際協力事業とはどのようなもの なのかを知ってもらうことを目的とするものである。また、本文を掲載することをきっかけに、日本の 水道分野に対する国際協力事業について、新たな提案の懸案や、更に、関心を持ってくれる方が増えて いただければ幸いです。
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