抄録
福岡都市圏はその水道水源の約3分の1を圏域外の筑後川に依存している。本論文では、福岡
都市圏の水資源管理の一環として、主要水道水源としての筑後川の利水安定性把握を目的とし、流量年
表にそのデータが公表されている7流量観測点の日流量データを基に、まず河川流量を平水流量で基準
化した楊合の渇水流量などの比率を示し、その特性について考察を加えた。次いで、1978年と1994年の
大渇水時の流況曲線を描き、確率流況曲線と比較することにより大渇水時の流況特性を明らかにした。
さらに主要な2 つの水資源開発事業を取り上げ、開発前後の確率流況曲線を比較することにより、流況
変動特性を明らかにしその効果・影響を評価した。