2021 年 90 巻 5 号 p. 13-22
テフリルトリオン及びイプフェンカルバゾンについて大阪市の水源である淀川水系及び浄水処理過程における実態調査を行ったところ、本市水源にテフリルトリオン及びイプフェンカルバゾンが流入していることが確認された。また、その凝集沈澱、砂沪過、オゾン、粒状活性炭(以下、GAC)、塩素及び粉末活性炭による処理性を調査したところ、テフリルトリオンは、凝集沈澱、砂沪過処理の効果は小さいが、オゾン、塩素処理は非常に有効であり、水温、経年等の条件により少し程度は異なるが、GAC 処理も有効であった。また、イプフェンカルバゾンは、凝集沈澱、砂沪過、オゾン、塩素処理の効果は小さいが、GAC 処理は水温、空間速度によらず、非常に有効であった。さらに、テフリルトリオン及びイプフェンカルバゾンともに、粉末活性炭処理は注入率によっては一定の効果があったことから、オゾン処理と粒状活性炭処理を組み合わせるもしくは粉末活性炭処理を行うことで、効果的に除去できることが確認できた。