化学と生物
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解説
海藻カロテノイド,フコキサンチンの多機能性
宮下 和夫
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2008 年 46 巻 7 号 p. 483-490

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抄録

褐藻に多く含まれるカロテノイドの一つフコキサンチンは癌細胞に対するアポトーシス誘導能や抗酸化活性などに加え,肥満モデル動物の内臓脂肪(白色脂肪)中に脱共役タンパク質(UCP1)を発現させ,これにより脂肪を分解して体熱として発散させる活性のあることが最近明らかになった.また,フコキサンチン投与により,糖尿病病態マウスの血糖値が正常レベルまで低下することもわかり,効果的な抗肥満活性を示す新たな食品素材として注目されている.

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© 2008 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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