化学と生物
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解説
環境に応じて2種類のエネルギーを使い分けるハイブリッド型生物モーター
べん毛モーターの固定子から考える細菌の環境適応と進化
伊藤 政博寺原 直矢
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2009 年 47 巻 7 号 p. 473-479

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抄録

一般に,好アルカリ性細菌は,プロトン駆動力ではなくナトリウム駆動力を利用してべん毛モーターを駆動し遊泳していると考えられてきた(1).そして,そのエネルギー変換ユニットに当たるNa+ 駆動型の固定子MotPSも同定されていた.しかし,全ゲノム解読が終了した好アルカリ性細菌 Bacillus clausii KSM-K16 株は,MotPSではなく好中性細菌がもつプロトン駆動型の固定子MotABをもっていた.この固定子の機能を解析した結果,通常のゲノムアノテーションだけでは発見できない,この細菌が高アルカリ性環境に適応するためにとった進化戦略を垣間見ることができた.

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© 2009 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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