化学と生物
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性行動の違いを生み出す分子機構
伊藤 弘樹山元 大輔
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2013 年 51 巻 10 号 p. 686-692

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抄録

キイロショジョウバエのオスがメスに性行動を行う際,オスは一連の定型的な行動様式を示しながらメスに求愛する.このオスの性行動は遺伝的にあらかじめプログラムされており,この性行動を制御する脳内の神経回路には性差が見られる.この回路の主要部分はfruitless と呼ばれる遺伝子の働きによって蛹の脳の中で作り上げられるが,その具体的なメカニズムは一切不明であった.ここではFruitlessタンパク質およびFruitlessタンパク質と複合体を形成するクロマチン制御因子が,オスの性行動制御神経回路を作り上げるメカニズムについて紹介する.

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© 2013 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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