抄録
近年,わが国では,心筋梗塞,脳梗塞などの血栓塞栓性疾患により,がんにほぼ匹敵する方々が死亡している.血栓性疾患は,血液凝固系もしくは線溶系の異常により発症する.血液凝固系は,出血に対する生理的な防御機構である.一方,血液凝固系により形成された止血栓は,線溶系により分解,除去される.通常,血液凝固・線溶系の巧妙なバランスにより,血栓傾向や出血傾向を示さずに血流は維持されている.本稿では,血液の凝固と線溶について解説し,さらに,食生活をはじめとしたライフスタイルの変化による血栓性疾患の増加について,メタボリックシンドロームや動脈硬化症,食との関連について概観してみたい.