化学と生物
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解説
オーキシン応答の自在操作を実現する人工ホルモン・受容体ペアの創成
植物ホルモン応答の自在操作に向けた新展開
高橋 宏二萩原 伸也鳥居 啓子打田 直行
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2019 年 57 巻 2 号 p. 80-87

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抄録

植物ホルモンは,植物の一生のさまざまな局面でその生理機能を精密に制御する化合物である.しかし,各々のホルモンは植物体内の部位ごとに多彩な作用を発揮するため,着目する作用だけを狙って誘導することが難しく,植物ホルモン研究やその応用における大きな壁となってきた.もし植物ホルモン応答の精密操作法が確立できれば,ホルモン応答の仕組みをより深く理解するだけでなく,農業園芸分野へのこれまで以上の応用展開も期待できる.最近われわれは代表的な植物ホルモンであるオーキシンの応答の自在操作を可能にする画期的な手法を開発した.そこで,その開発の基となった凸凹法の紹介とともに,本手法の開発経緯や展望について解説する.

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© 2019 公益社団法人日本農芸化学会
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