開智国際大学紀要
Online ISSN : 2433-4618
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「カントをめぐる物理学者と哲学者の討論、およびヤスパースによるハムレットと不可知論についての序説」
伊野 連
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2022 年 21 巻 2 号 p. 127-137

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抄録

ノーベル賞受賞者の物理学者レオン・レーダーマンは、彼の著書でハムレットの有名な言葉「この世界には、我々が哲学で夢見ている以上のものがある」を引用している。 哲学では、カントの批判哲学に代表されるように、我々は人間の認知能力の可能性と限界を常に特定するよう努めてきた。したがって、哲学的な側面からは、当然、現代物理学の結果に基づいて自己検証をおこなう必要がある。 この論文では、量子力学の創始者の一人であるヴェルナー・ハイゼンベルクの対話篇から、カントの哲学についてとても実り多い議論を採りあげ、その内容を精査する。 また、私は序説において、ヤスパースとヴィトゲンシュタインを不可知論に関して論ずる。

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