開智国際大学紀要
Online ISSN : 2433-4618
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「AはBのX(=建造物の一部)」形式の研究
―概念メタファー及び融合理論を用いて―
籾山 泰斗
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2025 年 24 巻 p. 56-65

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抄録
本稿は、Xを建造物の一部を表す語が占める「AはBのX」形式について、この種の表現の基盤として、Xを含む領域を起点領域、Aを含む領域を目標領域とする概念メタファーを設定し、AとBの関係に注目し、上記の形式を有する一連の表現に対して融合理論を用いて包括的な記述・分析を行った。まず、建造物における様々な重要な部分がXに当てはまる(「キュウリは福島農業の柱だ」「選挙は民主主義の土台だ」等)ことから、「際立った部分は建造物の重要な部分」という概念メタファーを見出した。さらに、「あきたこまちは県産米の看板だ」のように、AとBの関係が「種―類」関係の場合もあることから、「際立った種は建造物の重要な部分」という概念メタファーを立て、融合理論を用いてその仕組みについて包括的に記述し、一連の表現の概念レベルでの基盤を明らかにした。
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