土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
養浜断面地形の収束過程における断面地形変化特性
荒木 誠一志賀 守大丸 歩片野 明良伊藤 義将
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2015 年 71 巻 2 号 p. I_775-I_780

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抄録

 潜堤,突堤,養浜による面的防護工法で保全された新潟港海岸の第1区画は,2000年までに約50万m3の養浜を実施して概成した.新潟港海岸は季節風の影響により冬季に高波浪が来襲し,地盤沈下が0.8cm/年の速度でほぼ一様に生じている.冬季の極大有義波高,底質粒径の変化に対応して養浜勾配が変化する.初期の養浜断面地形は約10年間で平衡海浜断面地形に収束し,収束過程で養浜砂が流出する.養浜砂の流出量は,平衡海浜断面と養浜断面との差の二乗平均平方根と明確な相関がある.したがって,初期の養浜砂の流出量を低減するためには,平衡海浜断面を精度良く予測する必要がある.収束過程の流出量は,エネルギーフラックの変動とも関係するため,養浜断面が平衡海浜断面に収束しても,エネルギーフラックスが1.5倍になると養浜量の1%程度の土砂流出が生じる.

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© 2015 公益社団法人 土木学会
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