2015 年 71 巻 2 号 p. I_781-I_786
天竜川河口の西側約3kmに位置する浜松篠原海岸では,侵食対策として2005年以降3基の離岸堤の建設とともに天竜川の河道掘削土砂を用いた粗粒材養浜が継続的に行われてきた.この結果,2013年12月までに著しく汀線が前進し,海岸保全が図られつつあるが,その一方で,沖合侵食が経年的に進み,海岸保全上の新たな課題となっている.本研究では,まずモニタリングデータの分析により,沖合では約18万m3/yrの速度で急速に侵食が進んでいることを明らかにし,次に,養浜後の汀線前進と沖合侵食の機構を,粒径を考慮したBGモデルにより解析した.