2015 年 71 巻 2 号 p. I_793-I_798
日本有数の景勝地として知られる三保松原では,海岸侵食対策として設置された消波堤群を代替する新たな海岸保全施設として,景観に配慮した低天端突堤群が検討されている.海岸地形が急勾配であるため有脚式構造が検討されているが,構造の詳細は,景観改善や海浜の利用と合わせて総合的に検討する必要がある.本研究では平面水槽を用いた水理模型実験を行い,さまざまな突堤構造と配置に対する実験結果を比較することで最適配置と構造を検討した.その結果,横堤を透過式とした方が不透過式とした場合よりも堆砂機能が優れていることが確認された.さらに,縦堤と横堤の間隔や,横堤の位置と線形について総合的に検討し,透過式構造物を縦堤から離して曲線状に配置する案を最適案として提案した.