2015 年 71 巻 2 号 p. I_799-I_804
タイ国には,マングローブを大量伐採した結果,深刻な侵食が生じている海岸が各所にある.このような海岸では,離岸堤等の侵食対策構造物が設置されつつあるが,マングローブ林の再生こそ,自然的で永続性のある工法と考えられる.それゆえ,マングローブの中から,植林し易く,7・8年で高い消波効果を期待出来るタイプとして支柱根タイプを選び,これによる消波と侵食防止効果を高い信頼性の基に評価できる方法を提案する.具体的には,水理模型による消波実験を行い,既往文献の消波データと合わせて,実用的な消波効果算定図を作成する.次に,水理模型による侵食実験データを用いて海浜地形変化の良好な再現性を確認した数値予測モデルを用いて,有効なマングローブ林の所要幅を求める.