土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
現地の樹木等を含む地盤供試体を用いた水理実験
原野 崇浜口 耕平渡邊 国広諏訪 義雄伊藤 幸義細谷 治夫
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_1687-I_1692

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抄録

 海岸砂丘上の樹林などの植生が有する地盤の侵食抑制効果と効果の発揮限界を評価する手法を確立するために,実物の供試体でのみ確認できる植生が生育した状態での地盤侵食実験を実施した.3地域から7供試体を採取し最大約7m/s の流速を繰り返しかけ,地盤表面の侵食深さの計測を行った.供試体の表層では通水時間がますにつれて侵食速度(単位時間当たりの侵食量)が小さくなり,侵食深がある深さ(侵食限界)を超えると,急速に侵食が進行する領域が見られた.侵食限界は,供試体によって異なるがおおむね10cmから20cmとなり,急激に根毛量が減少する深さとおおむね一致した.このことから,侵食限界と根毛量には関連があることが示唆された.また,水理実験の結果を用いて植生を有する地盤の侵食の評価式の検討を行った.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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