2016 年 72 巻 2 号 p. I_805-I_810
静岡清水海岸を対象に,粒径を考慮した等深線変化モデルを用いて2015年までの地形変化の再現計算を行った.計算では,安倍川下流域の河床から調達した養浜材が河口から海岸へ供給された砂礫と比べ粒径が粗く動きにくいこと,増・蛇塚地先では離岸堤が沿岸方向の土砂移動を阻害していることなどを考慮した.海浜の早期復元のためには,安倍川から清水海岸へのサンドパイパス(8万 m3/yr),三保飛行場からL型突堤北側区間へのサンドリサイクル(5万 m3/yr)を継続した上で,増・蛇塚地先における2万 m3/yrの養浜を中止し,その分を1号HL上手側に投入することが有効である.