2017 年 73 巻 2 号 p. I_1099-I_1104
本研究では,潜堤における被覆ブロックの被災が集中する潜堤法肩部の被覆ブロックの被災機構を考究するため,被覆ブロックの移動限界時に作用する波力と被覆ブロック周辺の波浪場に着目した水理模型実験と数値計算モデルFS3Mによる数値解析を実施した.その結果,潜堤の法肩部における被覆ブロックの被災は,沖側法肩部(規則波)と岸側法肩部(長周期波)で顕著なことが確認された.規則波の場合,初期段階での鉛直波力が支配的であるものの,長周期波の場合,水平波力と鉛直波力が同程度であり,滑動被災とめくれ被災が同時に生じる可能性が示された.数値解析より,規則波において被災に支配的な鉛直波力は,法肩部ブロック上部の圧力の低下が原因であることが判明した.